朝、目が覚めると、あまりの寒さになかなか寝床から出られず、
普段なら職場へ出るギリギリの時間まで
ぼくは布団のなかでごろごろしていた。
いかんなぁと思いながらようやく布団から抜け出すと足がふらつく。
体制を立て直したところで熱がまだひいていないことに気づいた。
体温を計ったところ39℃を超えている。
(このとき前日から体調を崩していた。)
会社のSlackへ、休む旨ポストをする。
口をゆすいで一口水をのみ、また布団の中に戻る。
掛け布団の中から右手を伸ばしカーテンを引っ張る。
外は陽が差して明るかった。
カーテンを戻したらこのまま起きれない気がして、そのままにしておく。
だるさはとれず目を閉じる。
また目を開けると時計の針は12時10分を指していた。
外はどうも風が強いみたいだ。
twitterでニュースをチラ見したら、当直予報士が木枯らし1号を宣言していた。
なにか食事をとりたいと思うが、
家には水とりんごジュース以外食物らしい食物もない。
しかたなくコートを羽織り、ヨロヨロと外に出る。
風が強い。
11月の初めだというのに、強風もあいまり外気はだいぶ冷たく感じる。
空は目が痛くなるような青さだった。
道ですれ違ったおばさんが怪訝な顔でこちらを見ているような気がする。
自分でおもっているよりも足元がだいぶふらついているみたいだ。
ファミマでレトルトのおかゆ、水、生姜とレモンを買う。
のどが痛いのでのど飴も買った。
家に帰ってカセットコンロでお湯をわかし、おかゆを突っ込む。
相変わらず身体はだるいままだ。
おかゆが温まるまでの間、そばの丸いすに腰掛けて何気なくtwitterを眺める。
この日は2016年11月9日、アメリカ大統領選挙の投開票日だった。
ニュースでは州ごとの勝敗と、勝利によって双方が得た選挙人の数が速報されている。
直前のイギリスのブックメーカーでは軒並みヒラリーのほうがオッズが低かったので、
なんだかんだいいながらヒラリーが当選するのだろう、
そんなことを思いながら、おかゆにすりおろした生姜を投下してかきこむ。
夕方を過ぎ、日が落ちてもだるさは抜けず、相変わらず布団に横たわっていた。
ネットを眺めると「ヒラリーがトランプに敗北を認める電話をかけた」という
フレーズが目に入ってくる。
どうやらトランプの勝利は確実らしい。
マジかよ。
フィードを追う。どうも本当らしい。
マイケル・ムーアの分析の精緻さに驚くばかりだ。
夜、リリースされたばかりのÓlafur Arnaldsの新譜を部屋でかけた。
ヴィオラの音色はどこまでも美しかったが、
この日はどうもレクイエムに聴こえてしかたがなかった。